'eL-tneO 表紙画廊 ⇒ 描き方



0.現時点での絵の描き方
 最近、外国の方で、私がどうやって絵を描くか、ということをお尋ねになる方がおりました。色々な方の描き方を参考にして絵の上達を目指されているのでしょう。

 私自身、まだまだ拙いものですが、2003年の時点で自分自身が何を求めて、どんな方法を使ってどんな視点から絵を描いていたのか、そのことを後々に思い出すためにも、ここで、描き方を整理することに意味があると思えたので、このようなページをつくることにしました。

 参考用に挙げた絵は2003年の暑中見舞い絵として作成した『夏至の祭り』です。

1.鉛筆で下書きをする。
 紙の上にガシガシと鉛筆で下書きをします。最初は全体的にどんな動き、姿勢であるかを線の流れだけで描き、その流れに沿って身体の各パーツをくっつけてゆきます。
 絵の流れに上手く身体を乗せられなかった場合や、パーツのデッサンがあまりに狂ってしまった時には消しゴムでやりなおしにします。けれども、気にならない程度のデッサンの狂いであれば、「味」とでも思って、そのまま作業を継続します。
 クリンナップした下絵をスキャナで読みこみこれを原稿にします。実はこのクリンナップはペンではなく鉛筆で行っています。以前は丸ペンを使っていたのですが、思考錯誤の結果、私の場合、線の味を出すには鉛筆が一番のようです。
 ですので、下絵にペン入れ、ゴムかけをして線画を作るのではなく、下絵をトレース台で別の紙(主としてコピー用上質紙)にトレスするかたちで線画を描きます。

2.雲模様2
 背景全体に雲模様2を使って4色ほどのランダムパターンを生成します。同様にして新しいレイヤーを作りキャラクターにも同じ処理をします。
 これは、塗りがフラットにならないために、同じ色の部分にも様々な色合いが共存するために考え付いたテクニックです。
 今の私はどうも、印象派の同じ色の部分にも多彩な絵の具を使う描き方にあこがれているようです。まぁ、そのわりに些細な違いしか出せていないのは、まったく実力不足のなせる業なのですが……。

3.ベタ塗り
 別レイヤーを用意して、キャラクターに色を塗ります。陰影や質感は後で出すので、ここでは単純に塗りつぶさなければならない部分全てを均質な色で塗ってしまいます。多少はみ出しても、別の色を重ねる段階で覆い隠してしまえばいいわけで、以外と気楽にぺたぺたと塗ってゆけます。

 こうして、キャラ全体の原型になる色塗りができあがります。質感などの類は、この後出すのであまり気にしません。もっとも、適当に塗りつぶすので、この時点でも濃淡が出ます。しかし、これも味と思ってそのまま作業を進めます。

4.影1
 色を塗ったレイヤーを非表示にして(色があると先入観が出来てしまい、上手く塗れない事が多いのです)、新しいレイヤー(乗算レイヤー)を作成して、影になる部分に色を塗ります。次に塗る「影2」と区別するために、「影1」は赤紫色で作成しました。
 ここでは「どこに影が出来るか」を中心にして塗ってゆきます。まぁ、光源を決めて適当に影っぽそうなところを塗りつぶしてゆくだけのことなのですけれどもね。

5.影2
 その影レイヤーを再び非表示にし、また、別の乗算レイヤーを作成し、今度は一旦青紫で塗りつぶした絵の、光が当たっている部分を白くしてゆきます。このように視点を変えると、影の描き方にも違いが出、その違いが絵の深さを深める……と、私は考えております。
 ――考えていますが、美術については専門ではないので、あまり細かいところまでは突っ込まないで下さい。
 影を違う2色で表現するのは、一つには影の部分に豊かな色彩があってもいいのではないか、という考え方からです。もっとも、それならば、影を乗算で描くのではなく、もっと豊かな色彩で描く方法もあるのでしょうが……。現在は研究中です。

6.影レイヤーを合わせると
 2種類の影を合わせ、1種類にします。とりあえず、これで影つけの作業はおしまいです。
 また、実はここで影の濃さが足りなかったと思われたところ(股間、首周り、わきの下など)にさらに影を付け足したりしています。

7.ベタ塗り+影レイヤー
 ベタ塗りした絵と影レイヤー、雲模様2レイヤーを重ねるとこの様な感じになります。ベタ塗りレイヤーは通常レイヤー、影レイヤーは乗算レイヤー、雲模様2レイヤーは色相レイヤー(36%)です。
(乗算レイヤーをたくさん使うとどうしても絵が暗くなってしまいます。その辺をどうするかがこれからのわたしの思案のしどころなのでしょう)

8.背景作成
 いったん全てのレイヤーを非表示にします。そして背景用のレイヤーを作成します。
 ここではルウ君の灯火の光で照らされた地面を円形のグラデーションで作成後、変形で縦に縮め、適当に山嶺を「鉛筆ツール」で描き、そこより上を選択ツールで選択、夜空のグラデーションを作成しました。
 最初に描いたver. 1では山嶺はなく、雲を垂れ込めさせていました。これはver. 1を梅雨時に描いていたため、思わずそうしてしまったわけなのですが、それでは、どんよりしたイメージになり、せっかくの絵が死んでしまうと思い、星空に変更したのです。なお、星はこの時点ではまだ描きこんでおりません。

9.雲模様と背景
 背景レイヤーを乗算レイヤーに変更し、最初に描いた雲模様が出るようにします。これでなんとなく、質感が出るような印象になります。

10.キャラクターと合成
 その上にさきほどまで描いていたキャラクターを表示すると、このような形になります。
 やや、ルウ君が浮いているような印象も受けますが、その辺は最終的に補正することにします。

11.灯火
 灯火の明かりを作成します。円を作り、その中を白く塗り、それより一回り大きな円を作りそこを黄色く塗り、さらに大きな円を作り、そこを赤く塗ります。そしてぼかし(ガウス)をかけて灯火の出来あがりです。またコピーしたものを縮小して背景の灯火にします。
 普通にグラデーションツールで作成しなかったのは、一つにはグラデーションですと中間色のバランスを数字上で選択しなければならないので、直感的に出来る前述のやり方のほうが性にあったというのと、もうひとつ「面倒くさい」からです(笑)。

12.手元の光
 灯火があるのに手元が暗いままだと不自然ですので灯火を新規レイヤーにコピー&ペーストします。そしてそのレイヤーをスクリーンレイヤーに変え、ルウ君より上のレイヤー構造にします。そのままだと明るすぎますので適度な明るさに調節します。最終的には46%に落ち着きました。

13.背景の完成
 灯火を持っている人々と星空を描き加えます。星は灯火と同じやり方で作成した後、指先ツールで縦横に引き伸ばし、光っているように描写しました。こうして出来た星を縮小したり、色相を変えたりしながら満天にちりばめました。

14.ルウ君の影
 光源になっている灯火がこれだけ明るい光ですので地面に影をかけました。ただのこだわりです。

15.色調の統一感
 これまでの状態の絵だとルウ君の髪の黄色が周囲の青い色から浮き上がってしまい、絵的に美しくありません。
 そこで、最上段に新しいレイヤーを作成し、これを茶色で塗りつぶした上でカラーレイヤーにします。これで色調の統一感が出ました。

16.カラーレイヤーのパーセントを落す
 しかし、これだとセピアがかった古いモノクロ写真のようですので、カラーレイヤーの透明度を変更します。今回は46%で落ち着きました。
 私は全体に茶色をかける色彩が好きだったりします。友人のたか☆ひ狼さん曰く「ヘセド・ブラウン」とのこと。いや、名乗るほどたいしたものな訳ではないのですが……(笑)。

17.とりあえずの完成
 周囲をエアブラシで適当になぞって、なんとなく柔らかい印象を出してとりあえずの完成です。
 しかし、まだ、背景の人物など、描き込みたい部分は沢山あるので……、ver. 3が出るかもしれませんね(笑)。

終わりに
 と、この様に下手なりに色々と工夫して絵を描いています。参考になったでしょうか? ともあれ、私の拙い描き方を見てくださりありがとうございます。
 もし、「ここはこうした方がいい」などのご助言を頂けますなら大変嬉しく存じます。メール


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